第14章 ライム
「…マジ、彼女とか作れよ」
「やだね。面倒くさい…」
煩いやつは無視して歩き出した。
そうだよ…面倒くさい…
またあんなことになったらめんどくさくてしょうがないじゃん。
証拠を残すようなことして俺を縛り付けられると思ってんのかね。
あの女も所詮は女だった。
…別にいいんだけど、面倒くさい。
それに今はセックスしてる体力だって勿体無い。
コンサートに仕事に…俺の身体は一個しかないんだ。
セックスなんかで体力消耗してられっかっつーの。
だったら仕事のついでにお気軽に口で抜いてもらうことの何が悪いんだよ。
「ホントおまえ…落ち着けよ…頼むから…」
「アンタにだけは言われたくないね」
この前、あいばかの元カノのスキャンダルが出た。
雑誌を見たまま、暫く落ち込んでてうっとおしかった。
彼女居るのに何考えてんだろ。
俺はこいつほど、女には固執できない。
今もしも居たって、過去の女だって。
固執されることはあるけどね…
別れてって言ってるのに、別れてくれなかったり…
勝手に雑誌社に写真売ったり。
もう面倒なんだよね。
だから、今の俺にはあのくらい気軽なのがいい。
「…あの子、だって…他にも…」
「あ?」
「ニノだけじゃないみたいだから…」
「ああ…そんなこと?」