第13章 ピスタチオ scene3
「…もっと、わかりたい…」
「俺だってさ…もっと和也のことわかりたいよ…ごめんな?悩んでたんだよな…?」
「え…」
智も俺の頬を手で包んだ。
「オーラがグレーだったの…なんか悩んでたんだろ…?」
「うん…」
一日中悩んでた。
でもそれは、自分のことしか考えてなかったんだ。
こんなつまらないことで、俺、智のこと泣かせてしまった。
いや、俺も泣いたけど…
智の誕生日なのに…
「もしかして、俺が言ったこと…気にしてた?」
「え…?」
「和也が欲しいって…」
「あ、ああ…えと、うん…」
「ごめんな。和也の気持ちも考えないで…あんなの、誕生日だからって強制することじゃないし…」
「うっ…ううん!あのね、俺っ」
「いい。無理するな。でももし、決心できたら…くれよな?」
「智、あの…」
ちゅっと智はキスをした。
「…抱いて?和也…」
「智…」
「…なんか、こっ恥ずかしい…」
「ば、ばか…」
そんなこと言ったら、俺まで恥ずかしくなるじゃん…
耳まで真っ赤にして、智は俯いてしまった。
「誕生日だから…優しくしろよ…?」
「うん…わかった…」
でも俺、決めたのにな…
智…俺のこと…