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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第13章 ピスタチオ scene3


泣くだけ泣いて、呼吸も落ち着いてきた。
落ち着いてきたら、段々思考がクリアになってきた。

言ってくれないなら、こちらから聞くしかない。
じゃなきゃ、智は一生言ってくれない気がする。

「…いかなきゃ…」

でも身体に上手く力が入らなくて…

…許して貰えなくても、俺行かなきゃ…

なんとか起き上がってソファに座った。

…でも怖い。もしも許して貰えなかったら…

ぎゅっと膝を抱えて丸まった。

…和也なんかいらないって言われたらどうしよう…

拳を握りしめて立ち上がった。

「逃げて、ごめん…」

カバンを掴んでリビングのドアに手をかける。

「うわっ…」

急にドアが勝手に開いた。

「和也っ…」

智がドアの向こうに居た。

「ああ…よかった…居た…」

息を切らして、智はそこにへたり込んだ。

「え…?どうして…」
「どうしてじゃねえよ…なんで勝手に帰るんだよ…」
「だって…来るなって言った…」
「え?」
「今日、来るなって言ったじゃん…」

智は俺を見上げると、土下座した。

「ごめんっ…和也っ…」
「え…ちょっとやめてよ…」

でも智は頑なに土下座をやめない。

「泣かせてごめんっ…」

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