第13章 ピスタチオ scene3
収録は3本撮りだった。
深夜に終わって、やっぱり皆クタクタで…
ホントは飲みに行くかなんて言ってたんだけど、翔ちゃんは明日は朝から汐留だし、相葉さんはNHKで収録だし、潤はスタジオで次のコンサートの打ち合わせが入ってる。
俺と智しか休みじゃないから、解散になった。
帰り際、意味深に3人に見つめられて困った…
いや、うん…わかってんだけどさ…
でも…でもなあ…ううう…
今日一日、うんと悩んだ。
だからちょっと元気なかったかもしれない。
でも、俺の中で一個だけ答えが出た。
…やっぱり、智のこと好きだし、さ…
「今日は大野さんちでしたよね?」
地下まで降りてからマネージャーがそう言ってきたから頷いてると、智が俺の方を見た。
「え?和也来るの?」
「当たり前じゃん。前から言ってたでしょ?」
「え…マジで」
慌ててどっかにメッセ打ってる。
大方、斎藤くんとかそのあたりだろうけど…
なんで俺が行かないって思ったんだろ。
「マジでって酷くない?」
「い、いや…てっきりこないと思ったから」
「なんでよ?」
ちらっと智は俺の顔を見た。
「別に…なんかそう思っただけ」
「迷惑なら行かないけど?」
「はあ?そんなこと言ってねえだろ?」
「だって誰かと約束してんでしょ?」
「明日だって…釣り行こうと思ってたけど、今断ったよ」
「釣りぃ…?」
こんな大事な時期に?
何考えてるのこの人…