第13章 ピスタチオ scene3
楽屋に入ると、すでに皆さんお揃いだった。
智ももうメイクを済ませてる。
「二宮さん、すぐメイク入れるそうです」
「あ、了解」
なんかすげーことになってんな…
智の周りにはプレゼントの山…
あれ、大半が丸山からだろう。
呆然としてる智が可笑しかった。
「おはよ。智」
「あ、おはよ。和也」
にっこり笑って俺を見上げた。
「はいこれ」
「ん?なに?」
「…プレゼント。お誕生日おめでとう」
「おお…いいって言ったのに…」
今年のプレゼントは特注の切子のグラス。
そう、アレ。
会報にも載ってたけど、智が上手に作れなかった切子を発注して、デザイン通りに作ってもらったんだ。
多少、切子特有のデザインもいれてもらったけど。
がさがさ智がプレゼントの包装を開けた。
「おお…これ…」
「んふ…これ、智が使って?だから、智が作ったやつは俺にちょうだいね?」
「ええっ…あんなんでいいの?」
「あれがいいの」
だって、智が作ったやつじゃん。
「へへ…わかった…」
嬉しそうに笑って俺を見上げた。
そのグラスは「3104」って書いてある青いグラスと、「金」って書いてある黄色のグラス。
「なんで”金”…?」
「うふふ…」