第13章 ピスタチオ scene3
「ほお…そうなんだ…」
顎に手を当ててなにやらニヤニヤしてる。
「…気持ち悪いんだけど…」
「あ?」
「黒がなんなの?」
じっと翔ちゃんが俺の顔を見る。
「発情…」
ぼそっと言ってまたにやっと笑った。
「あ…え?」
「聞いたよ?智くんに…だからさ、黒のちから借りたら、おまえもできるんじゃねえの?」
「はっ…はあっ!?」
発情…
そう、俺と智がつきあうきっかけっていうか…
一番最初は、黒が発情しちゃって、俺も発情しちゃったっていうか…
つかなんでそんなこと翔ちゃんに言ってんだよ!智!
「雅紀もさ、黒に憑かれてる時なったことあるんだよ…」
「えっ…ええっ!?」
「そりゃもう凄かったぞ…あれは、エロい」
「や、やめてよお…」
「あん時は半分雅紀で半分黒だったけどさ…いやもう、俺のフランクフルトはもたなかったね…」
何を言ってるんだこの人…
頭を抱えてたら、俺たちの後ろで潤のスマホが鳴り出した。
「もしもーし、澪?」
どうやら恋人の澪ちゃんから電話のようだ。
「ああ。今終わったよ。なんか買ってくものある?」
にやにやしちゃって…
「うん、わかった。愛してるよ澪」
おーおー…熱いねえ…