第13章 ピスタチオ scene3
「あ、わりい」
「い、いや…いいんだけどさ…」
潤は引き攣った顔をして、目を逸らした。
「翔くんがアンアン言ってるの、想像できねえ…」
「すんな!ボケ!」
いや、あんたが今、話振ったんだろうが!
「すっごいかわいいんだよ…翔ちゃん…」
相葉さんが身を乗り出す。
「え?だって…え?もしかして…」
「うん!あれからちゃんと翔ちゃんのバージン貰い直したよ!」
「まっ…雅紀っ…!」
翔ちゃんが相葉さんの口を塞いで押し倒したけど、時既に遅し。
楽屋にいる皆が翔ちゃんのことジーっと見てる。
「やっ…やめろおおおお!」
「自業自得でしょうが…もう…」
「俺をみるなぁぁぁ!」
ばかだ…嵐…
「に、ニノっ…」
「なんだよお…もう…」
「とにかく、智くんは真剣なんだっ」
「だからなんなのよお」
「黒の力でも借りて、頑張ってみろよ、な?」
「え?黒…?」
そこで俺のメイクの準備できたってマネが呼びに来て、話は一旦中断した。
黒のちからってなんだよ…
気にはなってたけど、メイク室に向かった。
メイク室に入ると、隅っこに向かってにっこり笑ってみた。
もうあの子戻ってきてるらしい。
俺には見えないけど、今日もにこにこしてるんだろうな。