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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第12章 ピスタチオ scene2


「集まりやすいってことは…あれは”誰か”のものじゃなかったってことですか?」
「さすが櫻井さん、よくわかっていらっしゃる」

コトリと湯呑みをテーブルに置くと、先生は少し考え込んだ。

「そうですね…あれは、ここに溜まった思念が、何かのきっかけで塊になってしまったんでしょう。だから”誰か”特定の人のものではないです」
「そっか…俺たちが恨みでも買ってるのかと思ったけど…」
「そうではないです。今回はたまたま、ですよ」
「なら、よかった…」

塊になった思念は、彷徨っている魂を飲み込んで、どんどん力を付けて、遂にこういう事態に陥った。
たまたまそれが今日だったというだけで、本当に偶然だったみたいだ。

「でも…皆さん、やっぱりお持ちになっているものが強いから、こういう事態を引き寄せてしまうんですのよ」

奥さんが言うと、先生はまた苦笑いをした。

「え?どういうことですか?」

潤が聞くと、少しだけ先生は真顔になった。

「やはり、芸能界で成功される方は、強い運気や星をお持ちなんです。皆さんも例外ではありません。そういう強いものに、ああいう実体のないものは惹かれやすいということです」

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