第12章 ピスタチオ scene2
行長先生が和也を見てくれて、もう大丈夫と太鼓判を押してくれた。
「でも…魂が身体から出てしまったので、暫く動けないかもしれないですね…」
「でもあなた…あの光に守られていたし、身体には黒ちゃんが居たから…」
奥さんが言うと、行長先生はちょっと考え込んだ。
「それもそうだな…」
先生がしょりしょりとちょっとヒゲの伸びた顎を撫でていると、相葉ちゃんが飛び起きた。
「どあっ…」
相葉ちゃんの顔を覗き込んでた翔くんの顎にクリーンヒットした。
「いだーっ…」
暫くふたりとも動けない。
コントかよ…
「ごめぇん…翔ちゃん…」
「ああ…大丈夫…」
んなわけないんだけど、やせ我慢するのが翔くんだよね…
「どうなった?」
痛む頭を押さえながら相葉ちゃんが俺に聞いてきた。
「戻ってきてるよ」
「ほんと!?」
「ああ」
「あーよかったぁ…ニノぉ…」
よたよたと起き上がると、翔くんに支えられながらこっちまで歩いてきた。
潤も来て、3人は俺が抱きかかえて眠ってる和也の顔を覗き込んだ。
「ほんとだぁ…良かったぁ…」
もう半分泣いてる相葉ちゃんには、やっぱり見えてるみたいで…
大丈夫なのかな…視えたまんまで…