第12章 ピスタチオ scene2
あたりを見回すと、潤と翔くんが呆然と床に転がってて、奥さんに起こされてる。
チーフと相葉ちゃんは気絶してた…
見えたのかな…あれ…
「な、何が起こったんですか…もう全然わけが…」
翔くんがなんとか持ち直して、奥さんに聞いてる。
「うふふ…後で説明しますね?とりあえずここじゃ…」
そうだ、ここはテレビ局の楽屋の廊下…
いつの間にか人だかりができてた。
「わっ…わぁぁっ…雅紀ぃっ…」
翔くんが慌てて相葉ちゃんを抱き上げた。
「とりあえず、楽屋に入ろう…」
まだ和也は起きなかったから、抱きかかえて楽屋に入れた。
相葉ちゃんとチーフも運び込むと、行長先生と奥さんも楽屋に入ってきた。
ソファに座ってどっと疲れた…
「俺…もうなにがなんだか…」
潤はミーティングテーブルに突っ伏してる。
翔くんは冷蔵庫から水を出してきて相葉ちゃんの額に当ててる。
「智くん、これ」
俺にも水のボトルを渡してくれた。
「ありがとう。翔くん…」
翔くんは俺の顔を見てほっとしたような表情をした。
「戻ってきたんだね?ニノ」
「うん…」
そう言うと、潤はがばっと起き上がった。
「よかったぁっ…」