第12章 ピスタチオ scene2
「行長先生…」
チーフが心配そうに先生を見てる。
「ええ。大丈夫です。万が一の事があったらいけないと思い、私の自宅に皆様来ていただきましたが…」
ちらっと俺たちを見ると、申し訳無さそうな顔をした。
「すいませんでした。私がすぐにこちらに来られればよかったんですがね…」
「いえ…そんな!行長先生の貴重なお時間を割いてしまって…すいませんでした」
チーフが頭を下げるのを、先生は押しとどめた。
「大丈夫。すぐに済みます。行きましょう」
チーフが案内して奥さんがいる場所までたどり着いた。
着いたのは、俺たちの楽屋だった。
今日一日借り切っていたから、誰も居ない。
「まあ…皆さん…!」
「奥さん、すいません…邪魔にならないようにしていますから…」
翔くんが申し訳なさそうにしてる。
相葉ちゃんはしきりに潤を気にしている。
そういえば、潤は前の時ずっと眠ってたようなものだから、こういう現場に出くわすのは初めてなんだ。
「…大丈夫だってば…」
「でも、潤、ちょっと怖いんでしょ?」
「こわくねーし」
「いや、顔色悪いよ?」
「わるくねーし」
おいおい…頼むぞ…潤…