第12章 ピスタチオ scene2
がくんと力が抜けた。
「わんっ…わんっ…」
倒れ込みそうになった俺を、和也が支えてる。
「あ…ごめん、黒…」
また心配そうな顔で俺を見てる。
「大丈夫だから…」
がばっと先生は立ち上がった。
「行きましょう、大野さん」
「えっ?どこへ?」
「テレビ局です」
「ええっ!?」
「大丈夫。私が祓います。すぐに二宮さんを帰すことができるでしょう。だから、行きましょう」
先生は力強く頷いてくれた。
事務所の車はチーフが乗って行ったから、タクシーを呼んで分乗した。
その間にチーフに連絡して、俺たちが局に入れるよう手配してもらった。
帰っていいと言ったのに、3人はこっちにも着いてきた。
「皆さん、見届けたいのでしょう…二宮さんが戻ってくるのを…」
先生はそう言って許してくれた。
「ふふ…とても皆さん繋がりが強い…」
「え?」
「皆さんの気が一丸になっていますよ」
「え?え?」
気ってオーラみたいなものだろ…?
俺にはわかんない…
「皆さん、同じ色の気を纏っていますよ。今」
「へえ…」
よく見てみたけど、やっぱりわかんなかった。
テレビ局に着くと、入り口でチーフが待っていた。