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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第12章 ピスタチオ scene2


「大野さん、すいません」

そう言うと先生は電話に出た。

「ああ…わかった。では、気をつけて」

電話を切ると、先生は床に座り直した。

「すいません。今から妻と繋ぎますので…」
「はあ…」

先生はふーっと息を吐き出すと目を閉じた。

「では、参ります」

突然、頭が締め付けられるような痛みが来た。

「…んだこれ…」

途端に頭のなかにいろいろな映像が飛び込んできた。

「う…わ…」

パラパラパラパラと写真のように画像が飛び込んでくる。

これ…テレビ局の中だ…!

「先生…なんか俺も視える…」
「ああ…混線していますね…ちょっと待って…」

先生が手をかざした瞬間、画像の中に黒いものが居た。

「先生っ…あれだ!」
「えっ?」
「今、居た!黒いものが居た!」

先生はぐうっと頭を下げると、拳を額に当てた。

「あれか…!」

先生にも視えたようだった。

「ああ…やっぱり…」

ぼそりと先生は呟いた。

「これは念の集合体ですね…」
「念?」
「ええ…霊魂ではありませんね…でも中に沢山の魂を取り込んでいます…そうやって大きくなったんでしょう…」

ぶつぶつと何やら呪文のようなものを唱えながら、人差し指を唇に当てた。

ふっと息を吹くと、映像は消えた。

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