第12章 ピスタチオ scene2
「彼らがなぜあなた方の楽屋に集まってきたか…」
「どうしてなんです?」
翔くんが身を乗り出した。
「それは二宮さんが理由だったんです」
「え?カズが?」
潤と相葉ちゃんは目を合わせた。
その時、炊いていたおかゆが吹きこぼれた。
「おおっと…こりゃいかん…」
先生は慌てて立ち上がると、火を止めた。
「二宮さんに食べさせましょう」
小さな土鍋をテーブルに置くと、皆で和也におかゆを食べさせようとしたけど…黒になってる和也は大人しく座っていなくて。
しょうがないから台所の床に皆で座り込んで、おかゆをなんとかスプーンで食べさせた。
「わんわんっ!(もっと食わせろ!)」
「あっ…ごめん!まだ熱かった!?」
相葉ちゃんが焦って和也の口を拭いた。
「がうっ(ちがうー!)」
「痛い!噛むんじゃない!」
なぜか和也は翔くんの腕に噛み付いた。
「ほら、ふーふーしたから食え!」
「がふっ(もお!このひときらい!)」
潤が無理やり和也の口にスプーンを突っ込んで食べさせてる。
俺はずっと和也を後ろから羽交い締めしてたんだけど、先生はそれを見てずっと笑ってた。
コントしてるんじゃねえんだよ…?
まあ、見事に会話が噛み合ってなくてコントだがな…
なんとか食べ終わると、すぐに和也は俺に抱きついてきて眠ってしまった。
「つ…疲れた…」