第12章 ピスタチオ scene2
「大丈夫って…そんな気軽に言うなよな…黒…」
ばっと行長先生は顔を上げた。
「黒は何か言っていますか?」
「え…大丈夫だって…」
「ほう…」
行長先生は暫くタオルで汗を拭きながら、考え込んだ。
その間に相葉ちゃんと潤がコーヒーを淹れてきてくれた。
「先生お砂糖は?」
「ああ…ひとつ、お願いします」
相葉ちゃんがさらさらとスティックシュガーを先生のカップに入れた。
翔くんも手伝って俺の前にコーヒーの入ったカップを置いてくれた。
「智くん、ニノ預かろうか?」
「ううん…」
そんなことを言っていたら、潤がにやにやして俺の横に立ってた。
「黒にはこれね?」
少し深めのお皿に入ったホットミルクを持ってきた。
「わんっ!」
和也は嬉しそうに潤を見上げた。
「待て!」
「わんっ!」
慌てて和也は起き上がると、ソファの上に両手をついておすわりをした。
びしっと潤を見上げている。
「お手!」
「わんっ!」
「おかわり!」
「わんっ!」
徐に潤はお皿をテーブルの上に置いた。
「よし!」
「わおーんっ!」
和也は嬉しそうにお皿に顔を突っ込んで、ホットミルクを舐めだした。
か…かわいいじゃねえか…