• テキストサイズ

カラフルⅣ【気象系BL小説】

第12章 ピスタチオ scene2


「先生…どうでしたか?」

翔くんが先生にタオルを渡しながら聞いた。
行長先生の顔をみると疲れ切っていた。

「…すいません。遠隔で視るのはとても神経を使いまして…まだ、見つかりません…」
「そうですか…」

行長先生はタオルで額を拭いながら向かいのソファに腰掛けた。

「あっ…俺、お茶でも淹れるから!」
「いえいえ…相葉さん、そんなことなさらないでください」
「いーの!先生は休んでて?お台所、使わせていただきます!」
「あ、俺も行くよ」

潤も一緒になって相葉ちゃんと応接間を出ていった。

「くぅん…?」

黒は俺の顔をぺろりと舐めるとにっこりと笑った。

「ごめん…そんなひどい顔してるか…?」

ぶんぶんと顔を縦に振ると、黒は俺の胸に額を擦りつけてまた、見上げた。

”元気出して?”

と声が聞こえてきた。

犬にまで励まされてしまった…

ちょっと情けなく思っていると、くっくと行長先生は笑いだした。

「黒が、一番この状況をわかっています」
「え?」
「なにせ、あの”黒いもの”と大野さんが仰っていたものを追っ払ったのは黒なんですから…」
「あ。そか…」

じっと和也の顔を見ていたら、黒は大人しく俺を見つめ返した。

”大丈夫”

そんな声が聞こえた。

/ 1000ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp