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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第12章 ピスタチオ scene2


1時間以上、そのままの状態でいた。

誰も話をしようともしない。
ただ、時が流れていく。

何もできないけど、俺の膝で丸まって眠ってる和也の背中をずっと擦り続けた。
中にいるのは黒だってわかってるけど、少しでも身体が元気なればと思って…

チーフマネが時々部屋から出ていって、廊下で電話をしている。
仕事の調整をしているんだろう。

もしかしたら、和也は暫く仕事ができないかもしれない…

今日の収録だって飛ばしてしまったし、穴埋めに大変なことになってるんだろうなとは想像できた。
事務所の連中と、俺たちのマネたちが必死で調整してくれてるはず。

廊下をパタパタと奥さんのスリッパの音が聞こえたかと思うと、どすどすっと音が聞こえて応接間のドアが開いた。

「たいへんお待たせを…」

行長先生が息を切らしながら部屋に入ってきた。

先生は挨拶しようとする俺たちを制して、すぐに和也の横にしゃがみこんだ。
三つ揃えのスーツのジャケットを床に脱ぎ捨てると、眠っている和也の額に手を当て暫くそのまま目を閉じた。

時間が凄く長く感じた

漸く顔を上げた先生は、俺を見ると首を横に振った。

…やっぱり…和也は居ないんだ…

行長先生が見たら、もしかして…そう期待した心が急激に萎んでいった。

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