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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第12章 ピスタチオ scene2


奥さんはじっと和也を見てるけど、やがてため息を吐いた。

「…仰る通り…見えないですね…」

どこに行ったんだ…

「え…奥さん、あの…今、ニノの身体には黒しか居ないってことですか?」
「ええ…黒も二宮さんの身体から離れたいようなんですが、主が不在なので離れられないようです」
「そんなことって…!」

そこまで言って翔くんは絶句した。

「ええ…ありえないことなんです…ちょっと行長に連絡してきます」

奥さんは立ち上がると、急いで応接室を出ていった。


そう、ありえないんだ――

普通、生きてる肉体から魂が離れるなんてこと…ないんだ

生霊とか、強い意志を持って自分で肉体を出ることは稀にある。

前に翔くんに取り憑いたのは、そんな生霊だった。

あの時のことを後から聞いたんだ。
行長先生は、翔くんにこう言ったそうだ。

そうじゃなければ、肉体から魂が出るのは死ぬ時だと…


ぞっとした

急に怖くなった


「リーダー…」

相葉ちゃんが俺の隣りに座って肩をしっかりと抱いてくれた。

「大丈夫だよ…ニノ、絶対帰ってくるから…」

返事をしたかったけど、上手くできなかった。

腕の中にいる和也はあったかい…
あったかいのに、和也はここにはいない

「和也…」

呼びかけてぎゅっと抱きしめてみたけど、和也は目を覚まさなかった。


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