第12章 ピスタチオ scene2
ごうっという風が起こったかと思うと、生臭い匂いが部屋に満ちた。
ドタンバタンと音が聞こえて、暫くすると急に物音がなくなった。
顔を上げた瞬間、叫び声のような獣の咆哮のような音が聞こえて、パッと部屋に電気がついた。
「和也っ…」
入り口付近で倒れ込んでる和也に駆け寄った。
「きゅー…ん…」
「まずい…」
黒がえらい弱ってる…
「智くん!?一体どうしたの!?」
「今、黒が来たんだ…和也の中に入って、さっきのやつ追っ払ってくれたんだけど…相当ダメージ受けてる…」
「ええっ!?」
和也は俺の腕の中でぐったりしてる。
皆駆け寄ってきてくれて、とりあえず和也を皆で抱えてソファに寝かせた。
「黒…ありがとうね…」
相葉ちゃんは和也の傍に座って心配そうに髪を撫でてる。
「翔くん、行長先生から連絡はないの?」
「あ、ああ…」
潤が聞くと、翔くんはスマホを取り出した。
「あれっ!?凄い着信入ってる…!」
慌てて翔くんは電話を始めた。
「リーダー、ニノ大丈夫なの…?」
相葉ちゃんが俺を見上げる。
今、表に居るのは黒だから、黒が弱ってるのはわかるけど…
「あれ…」
和也が、いない