第12章 ピスタチオ scene2
「え…?なにこれ…」
和也も戸惑って、上着を開いて体を見てる。
ふと見たら、天井おじさんもAD風の女の子も、和也を見てる。
「もしかして…おまえに助けてほしくて来てるのか…?」
「えっ…?俺!?」
「その身体が光ってんのと関係あるのかも…」
「俺、なんにも持ってないよ!?」
ぱたぱた身体を叩いてるけど、物じゃない。
この光もしかして…
突然、部屋が真っ暗になった。
薄明かりすら見えない。
同時にラップ音も止んだ。
「え…どういうこと…?誰か窓を塞いだの…?」
相葉ちゃんの怯えた声だけが聞こえる。
「智…」
「和也…ちっと我慢しろよ?」
「えっ!?」
窓に、何か張り付いてるのが見えた。
あれは、完全になにか良くないものだ。
とてもじゃないが、俺達の手に負えるようなものじゃない。
ぼうっと和也の身体が、また少し光を増した。
「黒っ…こいっ…!」
あおーんっとどこからか犬の遠吠えが聞こえたかと思ったら、和也の身体がびよーんっと跳ねた。
「わああああああああっ…」
同時に楽屋のドアが派手な音を立てて、何かが中に入ってきた。
「伏せろっ…」
皆のところに行って、一緒に身を伏せた。