第12章 ピスタチオ scene2
目が暗さに慣れると、相葉ちゃんが腰を抜かしているのが見えた。
床にひっくり返ってるのを翔くんと潤が支えてる。
完全に真っ暗闇じゃないから、皆の位置はぼんやりと見える。
「うわ…さ、智…」
「和也、こっちこい」
腕を持って引き寄せた。
座敷わらしは和也の胸に顔を埋めて、完全に怯えてる。
またパキーンと音が鳴ったかと思うと、今度は連続して音が鳴る。
「うわ…この音、キツイ…」
翔くんが耳を押さえてる。
「なに…この音…」
相葉ちゃんも耳を塞いだ。
「なんか聞こえね?」
潤が呟いた。
「あ?ラップ音だろ?」
「違う…外から、なんか別の音…」
翔くんがキッとドアを睨んだ。
なんとかラップ音の合間に耳を澄ませてみると、ずるりずるりと何かを引きずるような音が聞こえる気がした。
「な…なんか、こっちに来てるっ!」
相葉ちゃんが俺の顔を見た。
「ん…」
どうしよう…こんなときどうすればいいんだ…
「ニノ…?」
相葉ちゃんがぽかんとこっちを見てる。
「え?」
「なんか…ニノの身体光ってる…」
座敷わらしが抱きついているからよくわからなかったけど、よく見たら和也の身体…胴体の部分がぼんやりと光っていた。