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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第12章 ピスタチオ scene2


「ん?」
「俺も一緒に…」

和也も不安なんだろう。

「わかった。じゃ、手繋いでて?」
「うん」

俺たちのすぐ近くまで、座敷わらしは来てた。
何か言いたそうな顔は変わらない。

切羽詰ったような、そんな顔をしている。

「…どした?」

座敷わらしの前までいって、しゃがみこんだ。
和也も一緒になってしゃがんだ。

目を合わせるように見ていると、こっちをじっと見た。

「俺、おまえが見えてるよ。何が言いたいの?」

突然、パキーンという音が楽屋に響いた。

「ひゃっ…」
「ラップ音だ…」

座敷わらしの顔が引き攣ったようになってる。
口をぱくぱくと動かして何かを言っているが、俺には聞こえない。

「やっぱりな…何言ってるかわかんない…」
「そうなの?何か言ってるの?」
「うん…でも、声まで聞き取れない…」

たまに声が聞こえることはあるけど、基本的におばけの声はあまり聞こえない。

黒の声は聞こえるんだけどなぁ…

突然、座敷わらしが口を閉ざした。
かと思ったら、俺に向かってはっきりと口を開いた。

『く』
『る』

はっきりとした口の動きだった。

「え?来る?何が来るんだ?」

こくこくと頷くと、座敷わらしは和也に抱きついた。

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