第12章 ピスタチオ scene2
「…なんにも写ってない…」
撮った写真を翔くんや和也や潤はまじまじと見ている。
相葉ちゃんと俺は相変わらず居るおばけに目を向けている。
「そりゃそうだよ…だって人の目には見えないんだから…ね?潤くん」
「でもここには写ってるってことだよなあ…大野さんが撮ったんだから」
「だよね…」
前に潤が取り憑かれた時は、潤の写真撮ればよかったけど…
実体のないおばけなんて写るわけないじゃん。
「じゃあ、これ行長先生と奥さんに送っておくね…」
いつの間にか翔くんは奥さんのメアドまでゲットしていた。
さすがというかなんというか…
手回し良すぎ…
暫くじっとしてたけど、埒が明かないからそろりと皆で動き出してみた。
「わっ…」
相葉ちゃんが短く叫んだ。
座敷わらしが何かを言いたげにこちらに歩いてくる。
AD風の女の子は入り口を塞ぐように立った。
天井おじさんも入り口の方の天井に移動してきた。
「…俺たちをこっから出したくないって感じだな…」
「えっ…ええっ…俺たち監禁されたの!?」
「わかんない…でも、そう見えるね」
「リーダー…」
「大丈夫だよ、相葉ちゃん。なんもしてこないよ」
悪いものじゃないって言ったんだけど、それでも怖いものは怖いみたくて…
相葉ちゃんはずっと震えてる。