第12章 ピスタチオ scene2
「雅紀大丈夫かぁ…?」
「うん…ごめんね…せっかく寝てたのに起こしちゃって」
あれから相葉ちゃんは楽屋に戻されて、ソファに寝かされてる。
頭の下にはアイスノンを置いて…
倒れた拍子に、後ろ頭にたんこぶできたんだって。
「いや、別にいいけど…」
ちらっと翔くんは俺を見る。
「何か居たの?」
相葉ちゃんがひらひらと寝ながら手を振る。
「俺の見間違いかもしれないしさー…気にしないで?」
「でもおまえ、気絶するくらいびっくりしたんだろ?」
「えへへ…」
まあ、普通はあんなの見えたらびっくりするんだろうけど…
俺はしょっちゅうだからなあ…
もっと怖い感じのも見るし。
「智くん、ちょっと…」
翔くんは俺を楽屋の外に連れ出した。
「何か居るの?」
「ん。天井からおっさんが生えてる」
「う…そらまた…」
翔くんはキョロキョロと廊下の天井を見てる。
「さっきまで受付の近くに居たのに、急にこっちきたみたいでさ…俺がメイクから帰った時はここには居なかったのに」
「そっか…」
翔くんはなんか元気ない。
「どしたの?」
「いや…最近雅紀、霊感が強くなってる気がして…」
あ、だから見えちゃったのかな…