第11章 珈琲色
「どうしよう…おで…一生射精できないのかな…」
えぐえぐ泣きながらエグいことをいう大野に、メンバーは何も言えないでいた。
「…あのさあ…そーいうのって、彼女に頼めないの?いるんでしょ?付き合ってる女…」
松本が呆れながら言うと、大野は首を横に振った。
「勃たなくなってから…彼女なんかいない…」
「あ…そ。まあそっか…」
セックスできないというのは男にとって、プライドを凹まされるのには十分なことで…
「そんなこと彼女にゃ言えねえよなあ…」
ボリボリと頭を掻いた松本を、二宮が見上げる。
「どーにかできないですかねえ…」
「あ?俺たちにやれることなんて…」
突然、相葉が立ち上がった。
「翔ちゃん!俺…リーダーの力になってあげたい!」
「ええっ…何言ってんだよ雅紀!?」
「いいでしょ…?俺、こんなリーダー見てらんないよ!」
「でっ、でも俺たちにできることって…」
「俺…手で…」
「えっ!?」
部屋がシーンとした。
大野は泣いたまま、びっくり顔で相葉を見上げている。
「手で…シてあげる。リーダー…」
「相葉ちゃん…」
相葉は大野をそっとラグに寝かせると、スエットをずり下げた。
「ちょっ…ちょっ…相葉ちゃんっ!?ココで!?」
「翔ちゃんもっ…早く!」
「ええっ…俺!?」
「リーダーの手、押さえて?こういうの好きかもしれないし…」
相葉は一生懸命なのだが、なにせ状況が状況だ。
櫻井はドン引きしている。
「…しょうがないですねぇ…」
二宮が立ち上がって大野の腕を抑えた。
「ニノ!?」
「おとなしくして?大野さん…」
囁いたかと思うと、大野の顔に唇を付けた。
「ほら…力抜いて…?」
二宮の真剣な瞳に、大野の腕から力が抜ける。
「や…やだぁ…こんな皆の前で…」
またぽろりと涙がこぼれる。
それを見て、松本が立ち上がった。
「しゃあねえなあ…付き合ってやるか…」
下半身をむき出しにされた大野を見つめながら、横に座り込むと、大野のネルシャツのボタンを外し始めた。
「なっ…何してんだよ!潤!」
上ずった声を櫻井が出すと、ニヤリと笑った。
「だって、なんかリーダー可愛くない?」