第11章 珈琲色
「へえ…これが30過ぎたおっさんねえ…」
潤が舐め回すように上から下までかずを見てる。
「そっ…そんな目でみるなよっ!俺、もう着替える!」
怒りながら寝室に戻ろうとする。
「んもー…わかってないんだから…」
潤はすくっと立ち上がってかずを捕まえた。
「な、なにすんだよっ…」
「コンサートの企画で女装はなし。もうあの話はボツってるから」
「は、はあ!?じゃあなんで俺、こんなの着てるんだよ!?」
「俺と智が着せたかったから、な?」
潤がウインクしながらこっちを見るから、こくんと頷いておいた。
「おまえがしょーもねーこと仕事で画策するからだろぉ?」
「しょーもねーって…」
「俺のサトコが見たいんなら、素直にそういえばいいのに…」
「そうだぞ?どうせ、サトコとヤりたかっただけだろ?」
「うっ…」
ほらぁ…やっぱりね…
「だってだって!あのサトコ超かわいかったじゃん!」
「まあな…俺だって、一回抜いたくらいだしな…」
「ほっ…ほら!潤くんだって!」
「えっ…そんなことしてたのかよ…」
「あ。口が滑った…」
ちょっと照れながら潤がてへっと笑った。
「てへじゃねえよ!離せよっ…俺、ばかみたいじゃん!」
「ばかじゃないっ!」