第11章 珈琲色
「わあ…」
「すっげ…」
俺と潤はぽかんと口を開けたまま、その光景に釘付けになっていた。
「あっ…あんま見るなよっ…!」
かずは恥ずかしがって顔を真っ赤にしている。
「いや…まあ、予想通りっていうかな…?」
「うん…予想通りすぎて、なんか凄いなって…」
「だからぁ…何で俺がぁ…」
今、二宮和也は女子高生である。
黒のロングの前髪つきのウィッグに、紺色ブレザー。
胸元には赤いリボンのタイ。
プリーツスカートは、白地にグレーのチェックで。
そこから伸びる足元は、紺色ソックス。
ちょっとO脚気味だけど、立派な女子高生だ…
「いやだって…今度のコンサートで女装企画って、カズがいい出したんだろ?」
「言ったけどさぁ…何で俺がやるんだよ!」
「言い出しっぺがやるんだよなあ?潤」
「そうだねえ?智」
「だっだってぇ!」
密かに今年のはじめ、俺が女装をした某鼻炎薬のCMを見てから、俺にもう一度女装をさせようとしていたらしい。
「俺はもう一回サトコが見たかっただけなのにぃ…」
「え?でも嵐で女装するなら、おまえじゃね?」
「そうだよねえ?潤」
「だからって何で女子高生なんだよ!30過ぎたおっさんじゃねえか!」