第11章 珈琲色
「ここは穴場ですよ…島の反対側は観光客でいっぱいだけど、こちら側にはほとんど来ないですから…」
奥様と翔ちゃんがお話してるのをきいて、納得。
ほんと静かだもん。
「助かりますよ。こういう商売してるとどうしても…」
「ゆっくり休んでくださいね。離れには私達もいかないようにしますから…」
それからおうちの周りのことを軽く説明してくれて、俺たちは離れに入った。
沖縄風の建物はどうやら古いものらしいけど、手入れが行き届いていて快適だった。
「わ~!凄い!ホテルみたい!」
「こら、あんまりはしゃぐなよ。すぐ雅紀は青タンつくるんだから…」
「はあい…」
俺、おっちょこちょいだから、知らないうちにどっかにぶつけて青あざつくってんだよね…
でも…胸にくっついてるこれは…
昨日の夜、翔ちゃんがつけたのだ。
「むふふ…」
「何笑ってんだよ。さ、荷物開けるぞ」
翔ちゃんの計画魔はここでも遺憾なく発揮された。
荷物を片付けたら、レンタカーで近くの海へ。
そこでシーカヤックを楽しみながら、お昼ごはん。
夕方おうちに帰る頃にはクタクタになってた。
晩御飯は奥様の手料理を頂いて、すぐに離れに引き上げてきた。
「はあ…くったくた…」
翔ちゃんの今日の計画はここまでだから、助かった…
ソファにぼふんと寝転がるともう寝ちゃいそう。
「雅紀ぃ…そんなところで寝るなよ?」
「んー…だって翔ちゃん…疲れたよぉ…」
寝ちゃうのは勿体無いけど、もうクタクタで…
「じゃあ、運動する…?」
きらんっと翔ちゃんの目が光る。
「えっ…ええっ…だって昨日の夜も…」
なんて言ってるのに、翔ちゃんは俺の上に覆いかぶさってきて…
ぽちんぽちんとアロハシャツのボタンを外されてる…
「昨日の夜は、昨日の夜…」
にやりと笑うと、ちゅっと俺にキスをした。
「雅紀はいつだって欲しいんだろ?」