第10章 Coke scene3
「あれ?相葉さん…」
「もう、車のエンジン掛けてるから。行こう」
「うん。カズヤ、行くよ」
まだ緊張してるカズヤの腕を取って立ち上がらせた。
「わ、わかった…」
緊張して右手と右足が同時に前に出てる。
「ぶふっ…」
「なんかあんな紙人形あるよな…」
「う、うるさいんだからねっ!」
リビングを出たら、相葉さんが玄関のドアを開けて待ってた。
「おーい、行くぞー!」
「うわ…熱風が来る…」
「外、すげえ暑いぞ…倒れるなよ?和…」
「はあい…」
カズヤに合わせて、俺達もスーツ着てる。
ジャケットは暑いから、まだ着てないけど。
皆で革靴を履いて玄関の叩きに立った。
「ママさん…今日、何着てくるんだろうな…」
「まさか…ドレス着てくるのかな…」
「おお…それはそれで見たい気もする…」
有名なレストランで、大男のオカマのドレス姿はさぞ目立つだろう…
最近はマツコさんやミッツさんのお陰で、正装していればそういうところの出入りもうるさくないっていうし…
「…多分、スーツ着てくるよ。ママも…」
カズヤが小さな声で言った。
「中学の時の授業参観…ちゃんと男の格好で来てくれたもん…」
「そっか…」