第10章 Coke scene3
「…あー…緊張する…」
今日はカズヤにぱりっとスーツを着せた。
「そんなに硬くならないの」
「だって…」
「わかるけどさ…でも、大丈夫。ママさん変わってないから」
「うん…」
今日はママさんと食事をする日。
色々とこの後予定があるから、ランチにしてもらった。
この日のために、どうにか三人のスケジュールを合わせた。
ママさんには申し訳ないけど、こっちのスケジュールに合わせて、店を休んでもらっちゃった…
まだ暑い盛りだから、カズヤは大汗かいてスーツを着ている。
「あとね、今日行く所あるから…」
「え?どこに?」
「それは、ママさんから話があるから」
「…そっか…」
お線香なんかは、相葉さんが用意して車に積んでくれてる。
カズヤさえ嫌って言わなきゃ、食事のあと小野くんのお墓参りに行く予定だ。
その辺りの話は、俺達じゃわからないからママさんにしてもらおうって話になったんだ。
お盆にはちょっと早いけど、まあそこは大目に見てもらおう。
なにしろ俺たちには余裕がなくって…申し訳ないんだけどね…
「ごめん、準備できたよ。行こうか」
翔さんがネクタイを締めながらリビングに入ってきた。