第10章 Coke scene3
「それくらい、見てて分かったよ俺だって…あの二人の空気が宮城からおかしいってこと…」
「そ…かな…」
「雅紀はニノのこと愛して愛して愛しちゃってるんだから、どんなに隠してても感じるところはあったんじゃねえの…?」
「うん…」
「そんな雅紀がこれ以上追求してこないって言ってるんだから、聞いてやれよ」
「え?」
「不問にするってことだろ…あいつにしちゃ偉いと思うよ?」
トンと肩に翔さんの手が乗った。
「…俺はね…おまえらも大事だけど…潤と智くんも、実は大事なんだ…」
「うん…」
「だから、ニノがなんとかしてくれて、ホント感謝してる…」
「翔さん…」
「なんて、浮気…だよな?されといて、なに言ってんだろ」
「ごめん…」
「でも…そんなことどうでもいいんだ…」
肩を引き寄せられて、ふんわりと抱きしめられた。
「今、ここで俺たちが一緒に生きてる。それが一番大事だから…」
なんか…ずんと来た。
翔さんは微笑むと、俺から離れていった。
リビングに入っていくと、カズヤと相葉さんとこに参加しだした。
俺はちょっとだけ泣いた。
許されてる…俺は、元々許されてたんだ…
宮城のとき思ったことを思い出した。
こんな俺を…愛して…許してくれて…ありがとう…
そして、知ってるのに知らないふりをして…
優しい嘘をつかせてごめんね…