第10章 Coke scene3
思わず顔を上げたら、ちょっとだけ怒った顔をした相葉さんがいた。
”正しいこと”に、やたら力の入ったいい方だった。
「正しいこと…?」
「ん…」
じーっと俺の目を見てる相葉さんの目は、とっても真っ直ぐで、曇りがなくて…
もしかして…
「さ、終わり。早く飲まないと、ぬるくなんぞ」
「う…うん…」
相葉さんも…わかってたってことなのかな…
「相葉さん…?」
「終わり。もうこの話しない」
…やっぱ…わかってたんだ…
「そら…いくら雅紀が鈍いからって…わかるんじゃない?」
帰ってきた翔さんとキッチンでコソコソ話してる。
リビングでは、カズヤと相葉さんが壁を見ながら大盛り上がりしてる。
大野さんがカズヤのデザイン画を元に、完成予想図書いてくれたらしくて、それがいい出来みたい。
「…なんで黙ってたんだろ…」
「そりゃ…ニノが欲に走ったり、間違ったことしてなかったからじゃない?」
「でも…褒められるようなことでもないじゃん…」
「…そうだけど…もしもあの時ニノがなんかしなかったら、潤と智くん、別れてたんじゃないの…?」
「え…?」
その危険はあった…
だからこそ、潤にあんなこと教えたんだ…
抱かれてみろって。