第10章 Coke scene3
「よろしい、ならば戦争だ」
…先生、マンガがお好きなのかな…
それとも某巨大掲示板の住人…?
ぶふぉっと噴き出したカズヤを見て、先生はにこにこ笑った。
「おや、このネタがおわかりか」
「いや…しぇんしぇ…それ…ぶふぉっ…」
「このセリフ、よく心の中で唱えるんですよ…テンションがあがってよろしい…」
先生は俺の顔を見た。
「仁科さんへ、アポを取ってお話させていただきます。条件等は私におまかせください。決してカズヤくんの不利になるようなことは致しません」
「はい…先生にお任せします。いいね?カズヤ」
「うん…」
目尻にたまった涙を拭きながら、カズヤは頷いた。
「本当にあの先生、内藤さんの伯父さんなの…?」
帰りの車の中で、目を白黒させてるのがおかしかった。
「そだよ。近藤先生の妹さんの子供なんだって」
「へえ…」
ちょっとだけ、遠い目をして窓の外を見た。
「…そういう話、聞いたことなかったな…」
語れなかったんだろうと思う。
カズヤには…
「ま、聞いてやるなよ…最後の見栄だと思って…」
「…ふうん…?」
カズヤの前では、弱みなんて見せられなかったんだろうから…