第10章 Coke scene3
「…なーんてね」
「へ…?」
「もう…あんなになったにーのに、これ以上ご無体はできませんよーだ」
「へ?へ…?」
そっと俺を起こすと、ぎゅうっと抱きしめてきた。
「にーの…」
「ん…?」
「…強くなりたい…」
「え…?」
「にーのみたいに…強くて賢くなりたい…」
「カズヤ…」
「…きっとにーのは何の考えもなしに、智に抱かれたんじゃないって、わかるよ…」
そっと体を離すと、俺をちゃんとソファに座らせて、カズヤは正面を向いたまま黙り込んだ。
「…俺…やっぱりまだ子供だ…」
「いいじゃん…まだ子供だって…」
「え…?だって早く大人にならないと…」
「なんでさ?親にとってはいつまで経っても子供は子供」
「でも…」
「たしかにさ…これ、相葉さんには言うなよ?…俺、大野さんに抱かれたよ」
「にーの…」
「でもそれには理由があってさ…こんなこと、とって付けた言い訳に聞こえるけど、大野さんと潤がずっと上手くやっていくには必要なことだった…」
ぎゅっとカズヤが俺の手を握った。
「…にーの…」
「それがわかるおまえは、とっても賢いと思う」
「そんな…」
「だから安心しろ。カズヤの決めたことは、誰も文句なんていわないんだから」