第10章 Coke scene3
そのおかげで、あの二人は熱烈ラブラブに戻ったけどさ…
だから俺も忘れることにしたし…
あれは一生、誰にも言えない事で…
言えるわけない。
脅されてたとはいえ、大切な人がいるのに裏切ったんだもん。
俯いてる俺の頬に、翔さんの手が触れた。
顔をあげると、翔さんはふっと微笑む。
「…知らないとでも思ってた?」
「え?」
翔さんの笑みが、意地の悪いものに変わった。
「え?翔ちゃん、なんのことなの?」
「ん?なんでもねえよ…?」
「ちょっと、ねえ。俺話しがちっとも見えない」
相葉さんとカズヤが質問攻めしてる間も、翔さんは俺から視線を外さなかった。
ヤバ…
バレてたってこと…?
なんで…いつ…?
っていうか知ってたんなら、なんで何も言わなかったの?
なんとか誤魔化して、風呂を上がった。
カズヤはなんか剥れてたけど、勉強部屋でやることがあるらしく二階に上がっていった。
パジャマに着替えてリビングでビールを飲んでたら、バスローブ姿の翔さんもビールを持ってソファに座り込んだ。
相葉さんはまだ汗が引かないらしく、扇風機の前に裸で仁王立ちしてる。
「翔さん…?」
「ん?」
なんで…知ってるんだろ…
確かめたかったけど、相葉さんも居るし、聞けなかった。