第10章 Coke scene3
随分…大人になった…
前はひたすら無表情で話が終わるのを待っていたのに…
こんなことまで言えるようになったんだな。
無理してるのかもしれないけど…でも…
ポンポンとカズヤの頭を撫でると、照れくさそうに俺を見上げて微笑んだ。
ん。大丈夫だな…
「ぷあ~…」
ジャグジーのボタンを押して、ぼこぼこと泡が出る中に4人で浸かった。
「気持ちいいねえ…夏のお風呂って」
浴室にある窓を全開にして、相葉さんが外の庭に蚊取り線香を置いてくれて、ちょっとお外気分を楽しんだ。
ジャグジーの傍には、水なんか用意して水分補給しながら、プチリゾート気分を味わった。
「ねえねえ、そう言えばさ。にーのの初恋って智だったんでしょ?雅紀や翔は?」
「ぶふぉっ…」
突然なにを言い出すかと思えば…
「んー?俺は、ニノが初恋だ」
「俺もかなぁ…」
「ええっ…それまで好きな人いなかったの?」
「いや、居たけどな。なんていうか、ホントの初恋って言うかなぁ…」
「そうなんだよね…なんかそれまでと違ったんだよね…」
「ふうん…」
カズヤは浴槽の縁に凭れながら遠い目をした。
「相手が男だからってのもあったから、色々苦しんだしな…」
翔さんの言葉に、皆黙り込んだ。