第10章 Coke scene3
昨日は潤と大野さんが来てたから、カズヤに戸籍の話をすることができなかった。
「そっか…内藤、アメリカ行ったんだ…」
相葉さんも帰ってきたのが夜中だったから、昨日のことは話せてなくて。
盛る前にと思って、話しておいた。
「ン…まあ、海隔ててるからね…そうそう施設からはでらんないらしいし…」
「そっか…じゃあ、カズヤが新宿行かない理由はもうないな…」
「でしょ?そう思うでしょ?」
「でも、カズヤ会うかな…」
「え?」
「ママさんの気持ちわかってるなら…会うって言わない気がする…」
「相葉さん…」
ちょっとだけ相葉さんは目が赤い。
すぐ泣いちゃうんだよね…
こういうとこがかわいいなって思う。
「…もうさ、しあわせになってもいいんじゃないかな…って…」
「え?」
「今でもしあわせなのかもしれないけど…でも、あいつ留学するんだからさ…過去と向き合わないといけないんじゃないかな…」
「和…」
「もちろんカズヤの親と向き合うことはないと思う。あいつらはこっち向いてないしね。そんなのばからしい。だけど…ママさんは…ちゃんとカズヤを愛してくれた人だから…」
ダイニングテーブルで向かい合いながら、ちょっとしんみりした空気になる。