• テキストサイズ

カラフルⅣ【気象系BL小説】

第10章 Coke scene3


夜中、カズヤが起き出した。

「カズヤ…?」

ズルズルと鼻をすする音が聞こえる。

「どした?」
「…なんでもない…」

ティッシュで鼻をかむと、ぼすんとベッドに倒れ込んで布団を頭まで被ってしまった。

「カズヤ…なんで泣いてるの…?」
「……」

何も答えないから、いいたくないことなんだろうな…
そっと布団越しに背中を撫でながら、俺も横になった。

「愛してるよ…カズヤ…」

なんにも考えないでぽろっと口から出た。
もぞもぞとカズヤが動いたかと思ったら、目だけ布団からだしてこちらに向き直った。

目は真っ赤だったけど、もう泣いてはいないみたいだった。

「ん?」
「にーの…」

またもぞもぞと動いて、布団ごと俺の胸に飛び込んできた。

「なあに?カズヤ…」
「はつこい…」
「ん?」
「初恋の夢を見た…」
「…そっか…」

辛い恋だったのかな…

相手はきっと男の子だったんだろうから…
辛かったのかもね。

俺の腕の中で、またカズヤは眠りに落ちていく。

「…そのうち…聴かせてよね…カズヤ…」

言葉にできるようになったとき…
辛かったことを乗り越えられるときなんじゃないかな…

「かあさん、待ってるからね…」

/ 1000ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp