第10章 Coke scene3
「いいんじゃない?」
「んだな…ここの壁なら書き込みとかしやすいだろうし…」
次の日、帰国した翔さんと相葉さんはあっさりとその案を受け入れた。
「でもここ賃貸だから、壁に穴あけるんじゃねえぞ」
「わーい!やった!」
カズヤは早速大野さんに連絡してる。
どうやらなんか作ろうとしてるようだ。
「どしたの急に…」
相葉さんが薄手のジャケットを脱ぎながらソファに座った。
「んー?よくわかんない。昨日急にあんなこといい出してさ」
「寂しいのかな…最近、忙しいからなあ…」
翔さんもソファに腰掛けて電話をしてるカズヤを見ている。
「でも、オリンピックまではなあ…忙しいからな」
「そだよねえ…」
「カズヤも大学忙しいみたいよ…だから寂しいとかじゃないんじゃないの?」
「ふうん…」
相葉さんはちょっとだけ寂しそうな顔をしてカズヤを見てる。
リビングは二箇所入口があって。
その入口の間の壁のとこには、棚とかも置いて無くて。
今は翔さんが持ってきた高そうな絵が一枚掛かってるだけだ。
その絵をずらして、そこになんかするらしい。
夜になるとその前に座って、なにやらスケッチブックにアイディアを書き込んでる。