第9章 ミント-before-
「ええ~なんでぇ?」
「だめったらだめ。あん時おまえだって、いいって言っただろ?」
「え~…だってぇ…相葉さんと翔さんの話聞いてたら、俺もしたくなっちゃった…」
「な…何を…」
「男役」
智は俺の顔を見て真っ赤になった。
「やっ…やだっ…」
「なんでぇっ!?」
「だって、おまえの俺よりでかいじゃないか!?」
「智のだって相当だよお?」
「だめったらだめ!切れちまう!」
「切れないように優しくするから…ね?」
「ね?じゃねえよ!そんな可愛い顔してもダメ!」
「さぁとぉしぃ…」
「うもー!」
マグカップをテーブルに置いた智を抱き寄せた。
「”お前に誕生日プレゼント用意できなかったから、俺のバージン貰ってくれ!”って言ったの、智じゃん…」
「んだーーーー!ヤメロってば!!」
「俺ほんとに嬉しかったんだよ…智?」
「だめったらだめ!」
「ふふっ…」
あんまり智の狼狽える姿がおかしくって、思わず笑ってしまった。
「あっ…おまえ…」
「嘘だよ。ごめんね?智…」
「うもー…ヤメロや…」
ぼふんとソファに押し倒された。
「なんだよ…たまには男役やりたくなったってわけ?」
「んー?違うけどぉ…」