第9章 ミント-before-
「でもさあ…誕生日プレゼント用意してないからってさ…」
「うるせえな…あん時はそれしか思いつかなかったんだよ…」
真っ赤になりながらマグカップを差し出してくるから、受け取る。
「おまえ、しつこい」
「ええー?だって嬉しかったんだよ?」
「なにがだよ…」
「だって、あんなこと言ってくれるなんてさ…」
「もお…いいだろ?」
智もマグカップを持ってキッチンを出ていった。
リビングのソファに腰掛けると、耳まで赤いのがよく見えた。
「ふふ…ねえ、今からじゃだめ?」
「え?何言ってんだ?」
「だからぁ…今からあのプレゼントちょうだいよ?」
「だっ…ダメに決まってんだろ!?何言ってんだよ!?」
「ええ~…だってぇ…」
智の隣に腰掛けると、耳元で囁いた。
「翔さん…相葉さんににゃっとている、つっこまれたらしいよ?」
「えっ…」
そのまま固まってしまった智を見て爆笑した。
「ちょ、ちょっと待て…それ、ホントなのか!?」
「ん…ホント…」
「まじかよ…翔くん…まじかよ…」
言いながら、智はもじもじとお尻を動かしてる。
「だから…ね?智、いいでしょ?」
「だっ…だめに決まってんだろ!?」