第9章 ミント-before-
「んふふふふ…」
「何笑ってんだよ?和也」
智がキッチンでコーヒーを淹れてる姿を見ながら、俺は笑っていた。
「ん~?智と俺が付き合い始めたのって、ちょうど今くらいの時期だったね…」
「ああ…もう8年経つのか…はええな」
最近、料理までするようになっちゃってさ…
今日も夕飯は智が作ってくれた和食だった。
「早いねえ…」
「んふ…あの時さあ…智ったら、俺の誕生日プレゼント用意して無くてさ…」
「ああ?なんだよ…そんなことまで覚えてんの?」
「覚えてるよお…だって、初めて結ばれた日って、俺の誕生日だったじゃない」
「うん…」
耳まで真っ赤になって智は俯いてる。
「恥ずかしいことを思い出すな」
「ええ~…だって、あの時の智ったらさ…」
「んだー!コーヒー入ったぞ!もってけ」
あの日、お腹が痛いながらもなんとか仕事をこなして。
皆からお誕生日おめでとうって言われて、初めて誕生日だったことに気づいた。
智と付き合った日が、俺の誕生日だったなんて…
嬉しくて嬉しくて、お腹がいたいのなんてどっか飛んでっちゃうくらいだった。
夜になって自分の家に帰って、急いで智の家に行ったら、なんだか智の様子が変で…