第9章 ミント-before-
「いつからなのよお…」
「んなのわかんねえよ…気がついたら好きだったんだ」
突然身体が持ち上がったかと思うと、俺の身体は大野さんに抱っこされてて。
「ほら、靴脱げ」
抱っこされたまま靴を脱いで放り出して。
そのまま俺は寝室に連れて行かれた。
ぼすんとベッドに二人で倒れ込むと、大野さんからキスがたくさん降ってきて。
「苦しいよ…」
「ずっと我慢してたんだ、おまえも我慢しろ」
「俺だって我慢してたよぉ…」
ああ…このまま俺、抱かれるのかなぁ…
男なんて経験がないけど、大丈夫なのかなあ…
「何で言わねえんだよ…」
「あなただって…言わなかったじゃない…」
でも…思いは通じ合ったんだ…
凄い…奇跡。
だって俺たちは男同士で…友達で…仕事仲間で…
こんな気持ち、絶対に一生言えないと思ってた。
今の関係性が壊れるのが怖かった。
結ばれるわけがないと思っていたから、だから伝えるなんてこと考えたこともなかった。
「でも…手に入れた…」
心底嬉しそうな声を出して、大野さんは俺をぎゅうっと抱きしめた。
「ずっと触りたかった…ずっとキスしたかった…和也…」
「大野さん…」