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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第9章 ミント-before-



好きなのに…

こんなに好きなのに…


「俺のことが…?」

気がついたら、大野さんは涙を目に溜めたまま俺のことじっとみてた。

「な、なんでもないっ…」

慌てて立ち上がろうとしたけど、離してもらえなくて。

「離してっ…」
「言えよ…ニノ」
「いやっ…離してっ…」

身体をよじった瞬間、ソファに押し倒された。

「なにすんのよっ…」

大野さんは黙って俺のこと見下ろすだけで何も言わない。

「和也…」

びくりとするほど低い声だった。

「…え…?」

名前で呼ばれることなんて、なかった。
なんで今…

ゆっくりと大野さんの顔が近づいてきた。
目を逸らせなかった。

だって…凄く真剣な顔してて…

大野さんが目を閉じるところまで見えた。
次の瞬間、唇に柔らかくて温かい感触。

「…っ…」

嘘でしょ

なんでキスしてるの?

「大野さっ…」

藻掻こうとした腕を掴まれて座面に押し付けられる。
逸らそうとした顔は唇を離してもらえない。

なんで?
なんでこんなことするの?

大野さんの舌が俺の唇を舐める。
隙間を割入るように舌をねじ込んでくると、息苦しくなって思わず口をひらいた。

一層、大野さんが俺の中に入ってくる。

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