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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第9章 ミント-before-


魔王の収録日が来た。

その日は曇りでどんよりとした空だった。

「熊田正義役、嵐の二宮和也さんです!」

スペシャルゲストということもあって、特別に現場で紹介を受けた。

大野さんは照れくさそうに俺のこと見てた。

スタッフさんがディレクターズチェアを2つ用意してくれて、そこに座っているとメイキングの取材を受けた。
その取材の最中も、テレビ誌とかの取材カメラが俺達のこと撮ってて。

このドラマの注目度の高さが伺えた。

「大野さん…嵐のリーダーの初主演ってことで、プレッシャーでも感じてるんですか?」
「ええ…?…まあ、ね…」

笑いながら俺の持ってきたトランプをいじってる大野さんに、やっぱり覇気は感じられない。

「大丈夫なの…?」

スタッフさんも取材さんも居なくなった時に、こっそりと話しかけると、表情を変えずに大野さんは頷いた。

「おまえに迷惑はかけないから」
「え…?どういう意味?」
「別に…」

トランプを持つ手を、じっと見ている。

「…大野さん…?」

言い知れぬ不安みたいなものがこみ上げてきた。
翔ちゃんマネの言ってること…もしかして本当かもしれない。

大野さん、やめたがってる…?

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