第9章 ミント-before-
「えっ?俺がゲスト出演!?」
あれから暫く過ぎたある日、俺のマネから連絡があった。
『はい。今回はどうしても初回にという話で…二宮さんご指名なんですよ』
「まじで…?絶対受ける!やるから!」
初回の決定稿がすぐに俺の元に届けられた。
「へえ…熊田の息子ねえ…」
「今回は山田太郎のスタッフさんが多いから…よかったですね!二宮さん」
「うん…」
大野さん演じる成瀬領が密かに葬った弁護士の息子役。
「…結構ガッツリだな…」
本域の芝居をする大野さんと絡むのはいつぶりだろう。
こんなシリアスな芝居してる大野さん初めてだし…
「負けらんないぞ…」
「大野さんを喰わないでくださいよぉ…」
わかってないなあ…
大野さんが本気になったら、俺なんか敵わないのに。
コンサートツアーも真っ盛り。
名古屋では翔ちゃんが怪我して…
骨折してたから全員で肝を冷やしたけど、なんとか乗り切れた。
翔ちゃんが医者に行ってる間、俺達はどうすることもできずにいた。
そんな中でも大野さんは落ち着いてて。
…やっぱり、大野さんは大黒柱で…
そこにどっしりと居てくれるだけで、俺達はなんとかできるって安心することができた。