第8章 ディープパープル
「あっ…あ…」
「くっ…ん…」
浴室に響く俺と潤の声を、智くんはただ見ていた。
「翔くんっ…イクっ…」
「あっ…おれ、もっ…」
突然、俺達の手に智くんの手が重なった。
「だめ…イクんなら俺の中に出して…?」
「智くん…」
「智…」
ふんわりと笑うと、智くんは立ち上がった。
「ベッド、行こ?」
ベッドに智くんの身体を投げ出した。
バスローブを潤がむしり取ると、智くんはくすぐったそうに笑いだした。
「慌てないで…今日は翔ちゃんが先だよ?」
「…わかった…」
潤が俺を見上げた。
「早く。翔くん」
全身が心臓になったかと思うくらい、鼓動が激しい。
マットレスの上になんとか上がると、智くんの裸体を眺めた。
細いのにしっかりと筋肉のついた、男の身体だ。
なのに…
止まらない
バスローブを脱ぎ捨てると、智くんの身体に覆いかぶさった。
「智くん…」
「翔ちゃん…早く来て…?」
腕を広げる胸に、俺は包み込まれた。
「ふふ…翔ちゃんも、俺のもの…」
「うん…俺は、智くんのものだよ」
「嬉しい…」
ギュッと抱きしめる首筋に唇を這わすと、甘い声が聞こえて。
堪らなくなって、抱きしめた。