第8章 ディープパープル
混乱したまま、すぐに風呂に入った。
アルコールなんてとっくに飛んでる。
風呂からあがるとすぐに冷蔵庫から酒を取り出して、あるだけ飲み尽くした。
だけど、酔うことができない。
さっきの潤と智くんの痴態が、頭から離れない。
「ああ…もうっ…」
ぐしゃぐしゃと頭をかきむしってみても、その映像は消えなかった。
なんでだよ…
もう20年近く一緒にいるじゃないか…
なのになんで今になってこんなことになってるんだ
ニノと雅紀だってそうだ。
なんで今さら…
それに俺たちは男同士じゃないか
「こんなのおかしい…おかしい…」
眠れないまま朝が来た。
スマホを見ると、着信があった。
彼女からだった。
そっか…今日、会う約束してた…
でも身体が重い。
まるで鉛の服を着ているみたいにいうことをきかない。
今日会えない旨、メッセージで送ったらそのまま床に倒れ込んだ。
こんなぐちゃぐちゃのまま、他人に会いたくなかった。
なんで急に変わってしまったんだ。
なんで急にこんなことになってしまったんだ。
いくら考えてもわからない。
わからないのに、身体が熱い
智くんのあの目が…
俺を離さない