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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第8章 ディープパープル


「落ち着けって…!潤っ…」
「離せよっ…智っ…なあ!」

ごほごほと咳をしながら、智くんが身体を捩る。

「逃げんなよっ…智っ…」
「潤っ…やめろっ…」

やっぱり…尋常じゃない…
一体、潤はどうしちまったんだ。
こんなに取り乱したのは初めて見る。

突然、潤の動きが止まった。

「う…」

智くんがじっと潤を見上げていた。

「どうして…欲しいの…?」
「智…」
「俺にどうしてほしいの…潤…」
「あ…智…」

荒い息を吐きながら…智くんの手が、動いてる。

「え…?何…」

その手は、潤の股間を弄っていた。

「智…」

潤の身体の力が抜けて、俺に寄りかかってきた。

「ちょっ…やめろよっ…俺、帰るからっ…そういうことは二人でやってくれよ!」

そう叫ぶと、智くんは俺の顔を見て微笑んだ。
いつも通りの、笑顔。

ぞっとした


目が、笑ってない


「ん…智、もっと…」

潤の手が、智くんに伸びていく。
思わず腕を外した。
そのまま覆いかぶさると、智くんの頬を手で包んで唇を重ねた。

二人の唇から出る水音がリビングに響く。
逃げ出したいのに、足が動かなかった。

ただ突っ立って、二人が絡み合うのを見下ろしてる。

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