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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第8章 ディープパープル


智くんは別に驚いた風もなく、にっこり笑った。

「なんで?何の関係もないよ?」

あんまり、普通すぎて…

「…じゃあなんで、潤あんなにおかしいの?」
「おかしい?どこが?」


”試してみる?”

なぜか…あの時の智くんの声を思い出した。


「なにやってんだよ」

潤の威嚇するような低い声が聞こえた。

「なんでもない」

智くんが答えて家に上がっていった。
その肩を引き寄せると、玄関の叩きに立ったままの俺を、潤は一瞥した。

「あがれば?」

まるで、この家の主みたいな言い方…

じっとりと汗が出てきた。

俺…やっぱりなんか巻き込まれたのかも…

「勘弁してくれよな…」

別に軽蔑する気はないけど…
メンバー間で恋愛…しかも男同士のいざこざなんかどうしろっていうんだよ…

リビングに消えた二人の後を、一気に押し寄せた疲労感と共に追う。


”だから…シャクってあげようか?”

また思い出した声に、身体が勝手にブルッと震えた。


「じゃあ、飲もっか…」

リビングの紫のソファの前にはガラスのテーブルが置いてある。
そこにコンビニで買ってきたものを広げると、それぞれ缶を手に取った。

「乾杯」
「乾杯…」

カチリと缶を合わせると、俺と潤は一気にそれを煽った。

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